ということで、長文になりそうなので、書き溜めをしておく。

実は水槽で、どうにも毎日数匹☆になる。そして水質検査は問題がない、という現象に悩まされてきた。
普通はリセットするのだが、それでは崩壊のメカニズムがわからない。
初めての崩壊だし、いっちょ最後まで見届けてやろうということで
放置して水換えとフィルターの掃除は継続してやってみた。
当たり前だが、ソイルをリセットすれば崩壊は止まるだろう。
それでは意味がないのだ。
崩壊のメカニズムを考え、仮説を立て、実証しないと気がすまない。

そしていろんなことを総合的に判断して、ある仮説に至った。
「ソイルを薄敷にすれば崩壊しない」
あるはベアタンクにフィルター2個つけて一定期間で交互にフィルターを掃除すると
崩壊しないはず。

なぜそう思ったか、プロセスを説明せねばならない。
当たり前だが、フィルターはスレッジが溜まる。
糞がアンモニアに分解されても、食物繊維みたいなのは残る。茶色いもやもやみたいなのは
見たことがあると思う。これをスレッジと呼ぶことにする。

底面フィルターは水が通水していれば好気フィルターになる。
が、スレッジやバクテリアのコロニーが付着してくると、通水が止まり嫌気になる。
セット直後は底面フィルター全体が好気フィルターになる。
が、段々詰まってきて、パイプに遠いところから目が詰まってくる。
底面フィルターの機能は徐々に弱まってくることになる。
そして、底面フィルターはパイプの周りの水流が強いところだけが好気フィルターになる。
遠いところは目がつまり嫌気になる。

毎日エビが☆になるのは極所性の脱窒における還元作用で発生する亜硝酸、およびアンモニアによるものと推測した。
エビが☆になった場所をよく観察すると底面フィルターのパイプから遠いところで落ちていることが多い。
これは極所的な還元が起こった水を吸ってしまったのが原因ではないだろうか?
水質検査をしても、バクテリアが硝化してしまうので検査紙には現れない。

もう1つ、底面フィルター吸い込みでパワーフィルターを使っているのだが、吸い込みの方が
早く崩壊が始まった。エアーリフトで吸い込みしている水槽は長く持っている。
このことから過度な通水はソイルの寿命を早めると考えた。

ソイルの寿命ってなんだ??ってことだが一般的に言われているのは
粒が潰れた、とかであろう。仮に粒が潰れたとしよう、中は嫌気である。
ソイルの寿命とは、ソイルの内部に通水しなくなり嫌気になった状態を言うのではないか?

水槽が全帯域で好気になれば、水換えで硝酸塩のみ排出しておけば、崩壊することはないのである。
では、なぜベアタンクでも崩壊するのか?
またソイルを3年変えてない猛者の水槽はなぜ崩壊しないのか?である。

このモデルは人口爆発、そして崩壊のマヤ文明に似ている。
水槽はセットした直後、全体が好気になりフィルターになっている。
いわば、実力の100%が硝化作業に割り当てられる。
しかし、底面を使った場合、その実力は年月が経つごとに減っている。
が、エビはどんどん増える。
糞の処理が追いつかなくなる状態になる。
ここで増えすぎたエビの出す糞を処理する、
硝酸塩には換えられるが、同時に嫌気エリアでは還元が始まる。
メタンガスが発生するように局地的に硝酸塩が亜硝酸に換わる。
亜硝酸はすぐに硝酸塩に換わる。
そのとき発生した亜硝酸をエビが吸ってしまう。
これが崩壊のメカニズムではないか?

ベアタンクで起こっているのは、フィルターの目が詰まってくることだと思う。
目が詰まるとフィルターの実力が100%から70%くらいに落ちる。
エビ飼育には2ランク上のフィルターを使え、というのは目詰まりを計算しろ、という意味だと思う。

糞さえうまく処理でき、嫌気がなくなれば、絶対に崩壊は起こらない。(理論上は)
嫌気がなくなれば=止水域がなくなればに通じる。
この止水域はソイル内部にもいえる話である。
そうすると、ソイルの厚敷は危ない!ということになる。
実際還元で窒素の溜まった水槽を見ているだけに、好気と嫌気の境目は
ものすごく近い。おそらく、ソイル2粒分くらい。

その理論に基づき、水槽をセットしてみようと思う。
方法は、、底面フィルターのパイプの周りに板を置き、吸う力を分散する。
ソイルを薄く引き、糞が底面に吸われるようにする。
底面とソイルはエアリフトで微弱にする。
巨大外部フィルターを設置し、濾材は定期的に洗う。
糞を回収する方法を考えスレッジを極限まで減らす。
考え方によってはベアタンクに底面フィルターかもしれないwwww

では、なぜ崩壊するのか?
機能が落ちたフィルターといってもフィルター自体の性能が悪いわけじゃない。
それは、エビの繁殖速度とフィルターの目詰まりの差異になると考えている。
そしてそれは、渋滞理論に似ている。
一定のエビの量に達すると実はもう、崩壊が始まっている。全然気が付かないが、フィルター(水槽全体)の処理能力を超えた
エビが糞をする。
すると、糞の分解速度が間に合わなくなる。
スレッジになるのに時間がかかり目詰まりは加速度的に増えていく。
フィルターの性能はどんどん落ちる。エビはすぐには減らない。
そこで局地的に発生した還元による亜硝酸がエビを殺しだす。
ポツポツ落ちだす、という現象だ。

以前は酸欠であると考えていたが、そうではなくバクテリアであるという認識に変わった。
それは「ソイルをリセットしたら復活する」からである。
ソイルを入れ替えたら復活するのはなぜか?
入れ替え前と何が違うのか?
また、追いソイル(ソイル追加)でも救われることがある。
なぜか?
これはもう単純に、好気バクテリアの住む場所が増えたと考えるべきだろう。
イオン交換とかPh調整は関係ないと思う。
なのでもし、仮説が当たっていたら、ソイル追加ではなく、フィルター追加とか、リング濾材追加(水槽に)でも
復活するはずである。
そこで、実は自分の水槽(90cm)も2213とエコだったのを2213+EX120EUROに変更した。
ソイルはすでに好気バクテリアのすみかではなくなったと判断したからだ。
厳密には表面のアマゾニアパウダーの深さ1cmくらいは好気だと思う。
でもそれ以外は嫌気のはずだ。
底面はこれで安定したはずだからだ。
考えるとソイル+溶岩砂を10cmくらい引いているので、初期の9割カットの濾過処理能力しかないはずだ。
それに2213とエコでは全く処理できない量であろうと思われる。

あくまでもソイルはリセットしない。
3年間ソイルリセットなし、という事例が説明がつかないからだ。
3年間たったソイルは1年目ですでに最初の30%程度の処理能力しかない。
それで安定しているはずだ
他に強力なフィルターがない限り、エビは増えないはずなのだ。
確かオーバーフローで作っていたはずなので、強力な濾過層を別に用意しているはず。
それが3年間ソイルリセットなしの秘訣のはずだ。
もし30cmで底面フィルターだけで、3年間リセットなしで、爆殖という例があったら教えて欲しい。
絶対にありえない話なので。

ということで、かなりの推論や仮説を用いたが、水槽崩壊のメカニズムは理解したつもりだ。
実は大学にネットワーク管理の仕事をしていて、サーバが不調になるとこの木なんの木の会社の
技術者がやってきて「不調だったのでリセットしました。現在は復旧しています」というレポートを数多くやっていった。
リセットは根本治療じゃねー!!と良く怒っていたものだった。
今回、90cmや60cmの絶好調と不調の調子が同じだったので、何か共通点があるのでは?
と思って、崩壊を見続けたのだ。
毎日数匹☆になる。いったい何が原因か?仮説を立てて実証し立証していく。
安易にリセットしないで、見続けた結果、うじゃうじゃいたエビがある程度の量で自然にコントロールされることも分かった。
エビ専用のフィルターというものを考えたときに、活性炭や粗めスポンジとかウールマットとかほとんど必要ない
いや、どっちかというと邪魔であることも分かってきた。

さて、俺の理論、当たっているだろうか????
まだまだ勉強である。