黒石市名物の つゆ焼そば のカップラーメン。
やきそばにつゆをかけたものっておもしろい。
へー、どんな味がするかな?つゆやきそば。
291577174_240.jpg
ってこれは食べ物の話をするのではない。

ナショナルブランドの地方ブランド食いつぶしの現場である。

ガイヤの夜明けなどで問題になっている地方ブランドの食いつぶしの問題だ。
顕著な例は沖縄のソーキソバだった。
沖縄のソーキソバというブランドがある。沖縄の人が時間と手間とお金をかけて育ててきたブランドだ。
このカップラーメンを売っているのは東京のナショナルカップ麺メーカー。
ソーキソバがブランドが日本中に浸透しても、沖縄にお金が落ちることはない。
カップ麺メーカはソーキソバのカップ麺が売れなくなったら他のブランドのカップ麺を発掘すればいい。
粗悪なソーキソバを作られた沖縄は、ブランドイメージが墜落し、観光やみやげ物の売上に大きく影響する。
この手法を阻止しなければならない。

この問題を見つけたのはmixi内でエースコックが新しいカップ麺を作るという企画を行っていた。
まずみんなからどんな新しいカップ麺を作るか?をアンケート回収し、そして投票、投票とは関係なく
新商品が決定。2種類のうち1種類が「黒石つゆ焼きそば」だった。ちなみにもう1つもラクサ春雨といって
外国の地方ブランドのもの。

調べてみると、青森県の黒石市に黒石焼きそばがある。
その焼きそばにうどんというかソバのつゆをかけたものがつゆ焼きそばである。
黒石市のHPを見てもわかるように、黒石市はこのブランドで町おこしを計画している。
焼きそば店はいくつかあるが、つゆ焼きそばの形で出しているのは8軒しかない。
それほどマイナーなのだ。
問題はいっぱいある。まず、汁焼きそばはマイナーで派生商品である。
黒石焼きそばは30軒くらいあるが、つゆ焼きそば店は8軒しかない。
つゆ焼きそばのカップ麺が全国発売されたらどうなるか、、、
黒石焼きそばのみの店は亜流扱いされてしまう。与野党逆転現象だ。
ということは全店、つゆ焼きそばをカバーしなくてはいけなくなり
22店がオリジナルつゆ焼きそばを開発することになる。
が、ベースとなる味はカップ麺だ。おいおい!オリジナルの8軒が発祥だよ。
これで黒石つゆ焼きそばのブランドの崩壊だ。

地方ブランドの本質は「地方で作っているものが全国に売れること」であり
ナショナルブランドが食いつぶすためにあるのではない。
宮崎のマンゴーや鳥肉のように宮崎の物が全国で売れるのが本道である。
私は黒石市に「つゆ焼きそば」「黒石つゆ焼きそば」を商標登録してブランドを守れ、とメールをした。
地方がブランドを守る方法は一番は商標登録である。
名前を使わせない、使うなら金払え、と攻撃する武器を持たないといけない。
黒石市では「名前が全国に広まればそれで嬉しい」と言っているようだが、そのプラス面以上のマイナスが待っていることを知らない。

エースコックでは「他の地方独特の麺はありませんか?」とアンケートを行った。
地方ブランドをつぎつぎに食いつぶす計画のようだ。
ナショナルブランドが地方ブランドを食いつぶす計画だ。

地方ブランドのレシピというのは前にも言ったとおり、すごくたくさんコスト(時間、手間、お金)がかかっている。
それを新商品開発の手間を省いて盗もうとしているのだ。
それってどうなのよ?ってことである。
残念ながらエースコックは非上場企業である。株価で経営が左右されないからそういう野蛮な行為がまかり通っているのだろうなぁ。

地方ブランドの食いつぶしを大手企業はこれからも進めるのだろうか。
今後を見守りたい。